「日本の悪霊」

高橋和己の小説「日本の悪霊」が1970年ATGで黒木和雄監督により映画化されていた事は知っていたが今まで見る機会はなかった。 原作を読んだのも30年以上前の事だから記憶も曖昧、主人公が無罪の判決を受けた直後に車に飛び込んで死んでしまう云うくだりだけが印象に残っている。
 映画では「横川事件」そのものはストーリーの中に組み込まれているものの法廷シーンすらない、主人公村瀬と刑事落合が活動家崩れのヤクザと刑事として佐藤慶が一人二役を演じ、村瀬と落合の同一性を瓜二つの二人が入れ替わると云う筋立てにしている。
 あまりに原作とのギャップが大き過ぎて些か混乱してしまって良く判らない、挿話の様に折々に現れる岡林信康が唄うシーン、70年代の匂いだけを感じながら、原作を引っ張り出してパラパラとめくってみたが、あえて好きな作家でもなかったし、いまさら高橋和己を読もうかと云う忍耐力はもう持ち合わせていなかった。


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「「日本の悪霊」」への3件のフィードバック

  1. 私は高橋和己を同時代的に読んだ世代からははずれているのですが、それでも彼の名前を聞くと、ひとつの時代へと記憶が引き寄せられていきますね。
    たしか森田童子の歌にも、本棚の高橋和己がどうしたこうした、という歌詞があったような・・・。
    奥さんの高橋たか子の作品も別の意味で好きでしたが、修道院に入って、いまはどうしているのでしょうか・・・。

  2. 決して私も同時代じゃないんですけどね(^_^;)どちらかと云うと左程にはらんぐざぁむさんと変わらないと思うんやけど...

  3. 老け顔?羨ましいです。
    僕なんか、相応に見られたことが無く仕事の時に不便を感じることが・・・しかし、らーさん森田童子て「どよぉ?ん」ですね。
    実は僕も高校の時よく聴いてたりして。
    そんでもって聴いたあとは「どよぉ?ん」となってたような。

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