北陸線廃線跡と河野しおかぜライン

旧北陸本線杉津~山中信号場間


 「CanCan謹製カレンダー」の常連モデルだったNちゃんと久しぶりに走りに行こうと云う事に、色々とプランも出たのですが、最近とみに鉄分多めのNちゃんからは「片鉄ロマン街道」こと片上鉄道廃線跡の案、ただ「青春18きっぷ」のシーズンでもないのに和気まで往復するのも何だか、ちなみに桜井から和気まで往復7,340円も掛かります。そこで廃線跡繋がりで敦賀まで往復輪行で北陸線山中越の廃線跡に行こうと云う事に、敦賀なら現在発売中のJR西日本「関西1デイパス」を使えば桜井から往復5,180円の処を3,600円で行って帰ってこれます、ただ「18きっぷ」の事を思えば割安感は些か少ないのですが。
 「関西1デイパス」季節ごとにタイトルや特典を変えて発売されているのもので、京阪神エリアの普通列車のみに乗車できるフリーきっぷなのですが、「18きっぷ」とは異なりこども運賃の適用があります。ただ発券時に乗車日の指定が必要で、従って当日朝に買いにくい駅からの乗車では注意が必要です。特典の方は水上バスとかは輪行サイクリストにはあまり縁のないものですが、6月4日分まで発売される「春の関西1デイパス」に関しては別途、新今宮から南海高野山、京都および鶴橋から近鉄長谷寺~室生口大野等の往復チケットを貰う事ができます。
 桜井から敦賀までJRのみ利用での始発では敦賀0950着となってしまいますので、奈良まで20キロ余りを自走して奈良0522に乗車、京都駅ホームでNちゃんと合流し湖西線経由で敦賀へと向います、ただ誤算だったのは近江今津で接続の福井行きは折り返しで反対ホームからの発車だった事。ともあれ0846には敦賀駅に到着、駅前に保存されている9600の動輪の前で輪行支度を解きます。
 北陸本線山中越の杉津(すいづ)線廃線跡については色々なサイトで紹介されていますので、ここで詳しく紹介はしませんが、1962年に北陸トンネルが開通するまで敦賀~今庄間を結んでいた線路跡で、多くは県道として利用され山越え区間に9つのトンネルが現存しています。私自身は2009年6月に3度目の金沢自走の途中に経由しましたが、その折はR8深坂峠を越えた後、敦賀市街には下らずに笙の川に沿って北上し池河内湿原から獺河内(うそごうち)に下り廃線跡ルートに入ったため、敦賀駅から辿るのは今回が初めてです。写真は北陸トンネルに入って行くサンダーバードですが、杉津線は木の芽川に沿った谷あいへと入って行きます。
 今回は下調べをしていなかった為に未踏の取り付き部分でで道を間違ってしまい西側の北陸道の上り線寄りの谷に入ってしまいました。お陰で建設中の新北陸トンネルの坑口を覗く事ができましたが。
 一旦R476まで戻って仕切り直しです、樫曲隧道はR476の歩道トンネルとして利用されていて、レトロな意匠の水銀灯が自動点灯する様になっています。葉原まではR476を辿れば良いのですが、断続的に旧道を取ります。この辺りでは廃線跡は北陸道とR476に再利用された形となっています。
 葉原界隈は田植えの真っ最中、獺河内から北は以前にも走っているのですが、記憶が曖昧と云うか、R476の改良で風景が変わってしまっている様な、少々道を間違えたりとご愛嬌。

 葉原からは廃線跡そのものが道路となり忠実に辿って行く事ができます。北陸道の上下線に挟まれる様な形で山越え区間の最初のトンネル、葉原隧道へ、抜けると一旦日本海側に出て鮒ヶ谷隧道~曽路地谷隧道~第一観音寺隧道~第二観音寺隧道~曲谷隧道~芦谷隧道~伊良谷隧道と続き、その間断続的に日本海の展望があり、最後の山中隧道で再び内陸側へと入ります。なお葉原隧道と8つ目の伊良谷隧道は交互通行の為の信号が設置されています。
 曽路地谷隧道を抜けた辺りにかつての杉津駅があったのですが、現在の北陸道の杉津PAに潰された格好になっています。海側から登ってきた道路と合流し県道207号今庄杉津線となります。
 先の樫曲隧道と後からでてきます湯尾隧道を含めた11のトンネル他が2016年に「旧北陸線トンネル群」として登録有形文化財に指定されています。現在山中隧道が補修工事中で土日祝と観光ツアー実施日以外の日中は2017年8月4日まで通行止との事ですのでご注意下さい。文化財になって観光ツアーもと云う事ですが、好天の日曜日なものそれらしき車や単車は数える程、自転車のペアが反対側から1組走ってきた程のものです。

 最後の山中隧道を抜けるとスイッチバックのあった山中信号所跡、左側は引き上げ線の跡です。ところで写真は誰が撮ったのかって、合成です(^_^)
 今庄に向って快適ダウンヒルですが、途中の大桐駅跡で小休止、ここにはD51の動輪が展示されています。
 今庄の街、宿場町の街道へ入ります、旅籠跡を再生した見学施設でお蕎麦を出しているので、お約束の今庄そばは此処で頂く事にします。

 おろし蕎麦のみのメニューで700円也、見学はともかくお蕎麦の提供はいつもやっている訳ではない様ですが、お蕎麦屋さんは他にも駅前や国道沿いに幾つもありますので。ゆっくりさせて貰った後、丁度13時に今庄を後にします。
 山中越えの杉津線からは離れていて見落としがちですが、同じく「旧北陸線トンネル群」として登録されている湯尾隧道です。


 
 今回のプランのキモとなったのは2013年に開通したこのホノケ山トンネル(2,709m)、敦賀スタートで帰途に河野しおかぜラインで南下しようとすると、どこかで内陸部から日本海側に出なければならないのですが、以前は武生近くまで北上して交通量の多いR8で山越えをしなければなりませんでした。R305がホノケ山トンネルで繋がった事で湯尾駅付近からショートカットする事が可能になりました、トンネル口まで登ればトンネル内は日本海側に向って下り、従って逆コースは考えたくはないです。交通量も多くないですが、平日は新北陸トンネルの工事で大型車の通行があるとか。
 「河野しおかぜライン」は以前は「河野海岸道路」と呼ばれた有料道路で現在は一般道路となっています。過去に二度ほど走った事があるのですが、やはり無料化が周知されると交通量は増える様でして。しかしR8を走る事を思えば、ただ敦賀市街まで戻るには杉津から10キロ近くはR8を走らなけらばならないのが、このプランのウィークポイントです。最後に少し遠回りですがR8鞠山トンネルを避けてフェリー乗り場から海岸寄りのルートを選んだのは正解だったかと。15時半に敦賀駅には到着、1623発の網干行新快速に乗り込む事ができました。本日の走行、奈良駅までの自走21キロとミスコースのロスを含めて95.7キロ、コース正味は70キロと云った処です。

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「北陸線廃線跡と河野しおかぜライン」への2件のフィードバック

  1. 偶然その2日前に行ってます。
    廃線跡ではないのです。
    一度行った峠の写真などがカメラの不具合やら何やらで
    喪失してしまったことでのリベンジです。

    やはり、有り難かったのがホノケ山トンネルでした。
    国道8号線を回避できるのが大きいです。

    葉原付近の大築堤がホノケ山トンネル道路から
    よく見えずわかりませんでした。

  2. ナワさん、それは奇遇でしたね。北陸線廃線跡と河野海岸道路との周回コースは以前から考えていたのですが、R8旧道の春日野道が通れるならまだしも、R8を走る気は毛頭ないので諦めていました、しかし最後にはR8を10キロ走らなければならないのが、杉津からPA辺りまで200m近くを登るのもねぇ。

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