「鳥取県」カテゴリーアーカイブ

岡山鳥取県境の峠周回は…



 0645 湯郷温泉を後にします、しかし9月も9日だと云うのに今日も暑くなりそうです。今年4月に来た折は林野あたりから出雲街道を辿りながら津山へ向かったのですが、今回は岡山県道51号美作奈義線と同7号智頭勝田線を継いでまずは鳥取県との県境の右手(うて)峠を目指します。ただ通勤時間帯と重なってか思っていた以上に車が多いのが。

 途中、国道429号を挟むのですが、コンビニがありますので補給を、この先は鳥取県側に越えて智頭までコンビニの類はもとより食料の調達は無理かと。国道と別れ県道7号となる頃には車も少なくなり、自転車にとって快適なコースに
 巻頭の写真と左の写真は県道7号から梶並川を挟んだ対岸路、以前に右手峠を越えたFacebookのお友だちのブログレポートで雰囲気の良さげな道の 写真をみて Google Street View で探し出した次第、久賀ダムの下の辺りになります。今回ロードなもんで「自撮り」の準備をしてこなかった事を後悔。
 久賀ダム、1973年に竣工した決して新しいダムでもないのですが、四阿やトイレは新しく整備された様です。
四阿で先のコンビニで調達した朝食を。余談ですがトイレの掲示がなかなか面白いのものでしてね。
 「トム・ソーヤー冒険村」のある右手集落、右手峠に向かって最後の自販機です。県道7号はこの辺りからセンターラインのない広めの1.5車線に。

 峠手前までこんな調子が続きます、標高が400mを超えた辺りから騒がしい蝉の鳴き声が途絶えて静かに、秋を感じさせる風情です。この辺り「木地師の里」と呼ばれています。

 1038 峠に到着、岡山県側は比較的緩やかでしたが、鳥取県側は林間のワインディングロードに。
 ただ県道296号西谷那岐停車場線への分岐から先は拡幅整備されて日陰のない道が国道373号まで続きます。「自転車峠おやじ」のナワールド氏によると「鳥取側の方が険しく、ヘアピン・急カーブが多い。岡山県側はなだらかなものだ」とありますが、なだらかまでとはね、2001年の記録ですから私と同い歳の氏はまだ40歳台のお話。
 さて予定では国道373号を智頭まで下り、因美線に沿って走り物見峠を越えて再び岡山県側に戻るつもりだったのですが、智頭まで来て急遽予定を変更、鳥取市が39.4℃と最高気温の記録を更新し、正に危険な暑さにリタイアした先月22日のリベンジで鳥取市まで走り「鳥取うみなみロード(とっとり横断サイクリングルート)」の残りを山陰本線大岩駅まで走る事に。
 千代川に沿って国道53号を走ります、下り基調と云うか殆ど平坦なのですが向かい風が些か余計です。鳥取市街まで10キロを切って時間を読める様になってきたので、先月も立ち寄った道の駅「清流茶屋かわはら」で一息入れます、しかしこの前後自転車道のルートが曖昧なのが…

 源太橋(写真左)から因幡自転車道の専用道区間に入り、先月にも増して草ぼうぼうの河川敷区間を突破し鳥取大橋東詰で「鳥取うみなみロード」に合流、千代川河口の見えそうな処(写真右)まで北上し折り返します。

 自転車道は住宅地の中を車道と交錯する様に登って行き、鳥取市街を見下ろせる高さまで。

 県道319号鳥取砂丘細川線へ入り一気に観光地の雰囲気に、せっかくですので少しだけ覗いて見る事に。

 以前は国道9号だった県道328号福部岩美線で駟馳山(しちやま)峠を越え、鳥取市から岩美郡岩美町へ。1505 には先月も立ち寄ったコンビニ(ファミリーマート 岩美町大谷店)へ、これで「鳥取うみなみロード」をほぼ完走した事になります。最寄りの大岩駅から帰途に就く予定でいたのですが、次の下りは 1641、輪行支度を含めても時間の余裕がありますし、走行距離が100キロにあと少し足りないので、次の岩美駅まで足を延ばす事にします。 
 1546 山陰本線岩美駅に到着、大岩駅と違って無人駅とは云え特急も停まる立派な駅です。

 のんびりと輪行支度を済ませ 1646 発豊岡行きに乗車し帰途に。スムーズに行けば岩美1646→1833豊岡1834→1952福知山2033→2134篠山口2145→2252大阪2257→2313鶴橋(2318→2353桜井)となるのですが、岩美駅出発から遅延、遅れは福知山駅の待ち時間で吸収できたのですが、大阪近郊路線があちこちで遅れていて、鶴橋で近鉄の乗り換える事ができたのは榛原行き最終で、桜井駅に辿り着いたのは日付の変わった 0026 となり7時間40分乗車。
 今日はJR区間4,830円分乗車して「18きっぷ」2014年夏シーズンを使い切りました。

 

1日目 2日目

日本で一番暑かった鳥取へ


 2024夏「18きっぷ輪行旅」第3弾は城崎温泉から鳥取市の間の未走行区間を走ろうと山陰本線浜坂駅から風光明媚な海岸沿いを走り鳥取駅を目指します、距離は42キロ程ですが、時間的にお正午から走り出すので。
 実は昨日今日と連休でしたので、昨日鳥取市まで走り今日は物見峠または右手(うて)峠で岡山県側へ越えようかと考えていたのですが、些か疲れが溜まっているのと、鳥取市界隈で適当な安宿が無かったので今日1日の日帰りに。
 浜坂駅は兵庫県の北西端、美方郡新温泉町、普通列車にしか乗れない「18きっぷ」ではかなり遠いです、桜井駅スタートですと1256着、近鉄利用でも変わりません、そこでJR奈良駅までの20キロを未明に自走する裏技を、JR王寺駅と云う手もあるのですが、桜井から天理を経て奈良への旧街道上ッ道(上街道)は旧くからの町並みを繋いでますので途切れる事なく街灯があり、信号も車も少くて、まして日頃から走り慣れたルートです。Erba号で0333に桜井の自宅をスタートし0445にはJR奈良駅前に、ここまで走行19.9キロ。
 輪行支度を解いて奈良0522発の京都行に、その後園部、豊岡と乗り継いで浜坂1121着。所要時間も長いですが、京都駅での奈良線から山陰本線への乗り換えが大変なのと、平日故に通勤通学の時間と重なるのと、園部から先は2両編成となるので、結局綾部までは座る事はできませんでした、まあ輪行袋がなければ要領よく座れなくもないのですがね。
 6時間掛りで浜坂駅へ、輪行支度を解いてくずぐずしているとお正午になってしまいました。走り出す前から食事と云うのも何ですし、この先鳥取市の手前までコンビニの類はないので、予め携行食を多めに持ってきています。しかしこの時間から走り出すのは大変、やはり真夏は前日に現地入りして早朝から走り出すのが正解の様です。

 浜坂を出ると2駅先の居組までは国道178号線を、幾つかあるトンネルは片側の歩道が広くとってあるのと、旧道と思われる部分も幾つか通行止になっている様ですので、そのまま国道を行きます。居組から先の鳥取県との県境となる区間は東浜居組道路(山陰近畿自動車道)の開通で国道指定から外れ、現在は兵庫県道128号居組港居組停車場線、新温泉町道・岩美町道七坂八峠線、鳥取県道256号陸上岩井線となっています。東浜居組道路が無料ですのでこちら側を走るのは観光の車と地元の車だけで至って空いています。
 多少のアップダウンがあるのですが標高113m程でピークを越え、鳥取県側に1キロ程下った処で県境となり、東浜の海岸線を望む事ができます。

 山陰本線東浜駅、先月末に境港から鳥取まで走った「鳥取うみなみロード(とっとり横断サイクリングルート)」の東の終(起)点、鳥取県最東の駅と云う理由だけで「紀の川サイクリングロード」の隅田駅とさして変わらないだろうと思っていたら、無人駅ににしてはなんとモダンな駅舎で天井は鏡張り、「トワイライトエクスプレス瑞風」停車の為に改修されたそうです。
 残念な事に「鳥取うみなみロード」は町道陸上(くがみ)中央線が現在全面通行止で国道178号旧道を迂回しなくてはなりません。迂回路へショートカットしようとしたら日影のないコンクリート舗装の激坂が…
 田後漁港から浦富海岸へ、標高こそ100mに届かないのですが、それなりのアップダウンをこなして網代漁港へ下ってきました。予定ではこの先内陸側へ、駟馳山(しちやま)峠を越えて鳥取市域に入り、鳥取砂丘の南側を走り千代川河口近くに出て因幡自転車道へ入るのですが、海岸を離れて風がなくなるのと、強烈な西日に木陰も少なそうな様子、この付近では貴重なコンビニに入ってアイスを齧りながら暫し思案。鳥取1800発で智頭急行を経由して帰途に就く予定、残り20数キロ、輪行支度を含めても3時間は余裕なのですが、この暑さは尋常じゃないです。結果的に最寄りの大岩駅に向かい帰途に就く決断を、奈良駅までの自走を別にすれば27.6キロ走っただけでギブアップする事に。

 鳥取駅の2駅手前の大岩駅、事前にwikiとストリートビューで調べてはいたのですが、無人駅でスロープでホームまで行けるものの、回りに民家もなく自販機どころかトイレもなくて小さな待合室があるだけ。次の上りまで小一時間ありますのでのんびりと輪行支度をして、無人を良い事に着替えも済ませてしまいました。待合室は風が抜けて心地良い上に忘れ物?の団扇が、拝借して蝉の声を聴きながら列車を待ちます。
 1641 の上り豊岡行きに乗車、山陰本線経由ですので智頭急行経由の別料金を払わずに「18きっぷ」で大阪鶴橋まで帰る事ができます。ところで今日の暑さ、気象庁のサイトを覗いてみると… 鳥取市は1404に39.4°を観測、鳥取市での観測史上1位を更新して、今日日本で一番暑い処へ走りに来ていたのです。

 今日走ったのは赤線部分、城崎温泉から鳥取市の間の未走行区間は断続的に4ヶ所を残したままです、餘部~浜坂間は海岸沿いの林道三尾御崎線に加えて町道久谷桃観線(桃観峠)が通行止で自転車は20キロも内陸の国道9号春来峠まで迂回しなくてはなりません、「鳥取うみなみロード」の迂回区間も含めて、先の長い宿題になりそうです。
 福知山駅での41分の待ち時間にコンコースに出てコンビニで夕食を調達。宝塚線、神戸線の遅延が心配でしたが定刻に大阪着、鶴橋から近鉄利用で桜井2353着、日付の変わった頃に無事に帰宅する事ができました、本日の走行47.6キロ(桜井→奈良を含む)。
 奈良0522→0622京都0637→0721園部0725→1010豊岡1013→1121浜坂 5時間59分乗車 4,070円分乗車
 大岩1641→1833豊岡1834→1952福知山2033→2134篠山口2145→2252大阪2257→2313鶴橋(2318→2353桜井) 7時間12分乗車 JR区間5,270円分乗車
 都合輪行13時間01分は鳥取の手前までの「18きっぷ」での日帰りですから仕方がないですよね、それでも2015年4月7日に王寺から益田まで15時間余り、山陽本線大畠駅で途中下車して周防大島へKHSで渡った記録には及びません。

久しぶりに山陰へ(4日目)


鳥取市気高町 魚見台から姉泊海岸 浜村海岸を望む

 いつもの事で朝暗いうちに目が覚めます。のんびりと準備を始めながらスマホを覗くと、なんと天気予報が今日まず向かう鳥取市を中心に、朝9時頃から夕方にかけて雨予報、ここ連日の猛暑で降られるとしても短時間の夕立ち位かと高を括っていたのですが… 雨雲レーダーの予想もピンポイントで鳥取市だけ、目的地の兵庫県佐用町は晴マークなんです。何れにせよ今日は何処かの駅から輪行で帰途に就く予定ですが、少なくとも鳥取駅までの40数キロだけは走っておきたい処。
 雨が降って来ない内に鳥取市へ向かおうと 0524 倉吉駅前の宿をスタートします。倉吉東郷自転車道と云うのもある様なのですが、明らかに遠回りですので線路沿いに東郷池へ。

 海側を回ってきた倉吉東郷自転車道の終点に出た処から県道22号倉吉青谷線をR9方面へ。東郷池には能登の「ボラ待ちやぐら」の様なものが、ボラではないと思いますが。

 R9に合流した処から「鳥取うみなみロード」のサインが現れます。山陰海岸に出た辺りから細かなアップダウンが続き、この辺りで鳥取市域に入りますが、時折雨粒がパラパラと。青谷から岬の方へ少し遠回りして夏泊海岸へ(写真右)、姉泊海岸から浜村海岸と展望ポイントが続きます、やはり「鳥取うみなみロード」は海側を走る東行きが正解です。
 ところが「鳥取うまなみロード」は鳥取市気高町で南へ大きく迂回します、なんと10キロ近く遠回り、R9をそのまま走ると再合流する白兎海岸まで4つのトンネルがありますが3つは旧道で迂回する事が可能です。私は水尻池側の小さな峠を越える事に。山陰本線と並行する区間で踏切の音がが聞こえてきたので少し鉄分を、ただこの後R9に合流するのに難儀する事に、信号も横断歩道もない上に交通量が多くてなかなか渡らせて貰えません、まさか南側に大きく迂回している訳がこれだとは思えませんが。
 鳥取空港から賀露海岸へ迂回する「鳥取うみなみロード」には付き合いきれませんのでR9に沿って走り 0831 千代(せんだい)川の最下流に架かる鳥取大橋を渡ります。ところで「鳥取うみなみロード」のサインには、英語に加えて中国語とハングルが。

 鳥取大橋東詰から千代川の河川敷に下り因幡自転車道を南へ、とにかく鳥取駅近くまでやってきました。雨雲レーダーによるとなんと「しばらく雨は降りません」との事、まぁ天気予報のフェイントのお陰で思いの他早く鳥取市までやって来る事ができました。

 と云う事で因幡自転車道を南下、ただ河川敷のコースはご覧の有様、堤防上も走り抜けられそうなんですが。

 因幡大橋をくぐって自転車道が堤防上に上がり源太橋を渡る辺りからはなかなかの快走路に、岡山へのサインが気持ちをくすぐりますが、専用道は限られているのですよね。

 再び千代川右岸に戻り10時前に道の駅「清流茶屋かわはら」へ、早朝から携行食だけ持って走っていたのですが、ここで遅い朝食に、ただ食堂がお休みなので併設のコンビニでおにぎりを調達して食堂のテーブルで頂きます、とにかくクーラーの効いた処で一息入れられ満足です。

 さて再び千代川とJR因美線に沿ってR53を南下します、目の前で鳥取自動車道の高架が谷を跨いでいますが、少なくともあの高さまで登って志戸坂トンネルで合流するのですね。

22 ? 智頭駅に寄り道して小休止の後、黒尾峠を越え津山に向かうR53と別れてR373へ、前を走る軽トラの荷台に飼っているのかな、食べられちゃうのかな…  (智頭町内にて)
 智頭で因美線と別れた智頭急行の線路が見え隠れします、今日のルートはこの先R志戸坂トンネル経由のプランと西側の右手(うて)峠を越えるプランも用意してあったのですが、やはり倉吉スタートでは次案は厳しいですね。智頭往来(因幡街道)は江戸時代に整備された脇街道の一つで姫路と鳥取を結んでいたのですが、最近「智頭往来志戸坂峠越」が国史跡に指定され、整備が進められるそうなんですが、サイクリストとしては旧道の志戸坂隧道を通れる様にして貰いたいものです。

 14時過ぎに志戸坂トンネル(1,630m)に到着、トンネルそのものは一般道路のR373で歩行者やR125以下の車両の通行が可能、制限速度も50キロなのですが、鳥取自動車道と共用していて通る車は高速の感覚で走っているので車道を通るのは自殺行為。東側の歩道は自転車が乗って走れるだけの幅があり、車道との間に柵が設置されています、サイドバッグを付けていてもどうにか走れると云う感じですね。処でこのトンネルの入り口の歩道側には歩行者用ボタンが設置されていて押すと30分間「歩行者」がいる旨の表示が出るとの事ですが、この状況で意味があるのでしょうかね。鳥取道が合流していて交通量も多くて騒音も凄いのですが、表示が出ていても減速してくれる気配もありません。でもこのシステム、わ奈良県の新天辻トンネルや新伯母峯トンネル、黒滝村と天川村の間の新笠木トンネルや新川合トンネルに付けて貰いたいものですね。ともあれ約7分で通り抜ける事ができました。
 志戸坂トンネルを抜けると岡山県英田郡西粟倉村となります。ところで今回最終目的地を兵庫県佐用町にしたの 2021年に佐用郡石井村の道路元標の現存が確認され未収になっていたためなのです。
 岡山県から兵庫県側へ智頭往来は鎌坂峠を越えるのですがR373は北側のさっこり峠を越えます。ただ殆どの車はR429か川沿いに下る岡山県道5号作東大原線に入ってしまいます。残念ながら石井村道路元標は倒置された状態のまま、2002年に発行された藤原勝永著の「兵庫県の道路元標」で所在は「道路拡幅で不明」となっていました。ところで石井村は明治22年(1889年)の町村制施行時には岡山県吉野郡に属していますが、明治29年(1896年)に兵庫県佐用郡に編入されています、地理的には千種川水系に属していますので理に適っているのですが。

 再び智頭急行の線路と並行するに走り 1545 には平福へ。輪行で帰途に就く時間には余裕がありますので旧い宿場町の中を少し散策します、平福へは2016年4月以来になります。

 智頭急行の平福駅はなかなか立派な設えの駅ですが、無人駅で「スーパーはくと」等の特急は停車しません。待合室や多目的トイレもあって輪行支度するのも都合が良いのですが、駅前にはお店どころか自販機すらありません。補給が必要なら姫新線と接続する佐用駅まで足を進めた方が良いかと。次の下り 1803 発まで十分に時間がありますのでのんびり輪行支度をして、水道をお借りして身体を拭いて着替えも済ませてしまいます。
 慌ただしくせず山峡の無人駅でヒグラシの鳴き声を聴きながら過ごすのも良いものです。1803 発では佐用での姫新線への接続が悪いので智頭急行に630円を奮発して山陽本線の上郡まで向かう事に。(平福1803→1846)上郡1855→1927姫路1941→2043大阪2057→2156奈良2204→2234桜井 上郡から3,410円分乗車。
 本日の走行119.4キロ、年甲斐もなく2015年3月2015年2月以来の3日連続100キロ超を果たしました。

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【1185】 2024/7/31 佐用郡 石井村(現 佐用町)

久しぶりに山陰へ(3日目)

中海北岸から望む江島大橋

 6時半少し前に松江の宿を出発し、まずは境港へ向かいます。2008年10月の時は大根島から江島大橋経由、当時はまだ「ベタ踏み坂」なんて呼ばれていませんでしたが、今回はR431を経由します。
 R431は出雲市から米子市まで宍道湖と中海の北側を回ります、平日の朝とあって交通量が多いのですが、松江市街を抜けると中海側に出るまでは広い歩道が続いていて走りやすいので助かります。

 境水道大橋の見える処までやってきました、こちら側は島根県松江市(旧八束郡美保関町)、対岸は鳥取県境港市。昔は渡船があったのですが、今は境水道大橋を40m程登らなければなりません、渡船は前回私が訪れた2008年の前年3月末に休止(事実上の廃止)、知らなかった私は片江村道路元標へ行くために江島大橋を越えた上にこの境水道大橋を往復する羽目に。ところで奥出雲から流れてきた斐伊川は宍道湖に流れ込んだ後、大橋川、中海からこの境水道を経て河口となるのですね。

 江島大橋の島根側6.1 %、鳥取側5.1 %に対して境水道大橋の境港市側は7.25%との事、大橋からの境港の展望はなかなかのもの、車は停車禁止ですから歩行者の特権?です。

 まだ午前中ですし開いている店も少なく観光客もまばらですが、水木しげるロードを走って境港駅へ。「ゲゲゲの女房」がNHKの朝ドラとして放送されたのが2010年、その後の賑わいは凄かったのだとか。
 ねずみ男とは16年ぶりの再会、久し振りにゆっくり見て廻りたいのですが、これからまだ60キロは走らないといけませんので、またの機会に。

 さて境港を後にし倉吉に向かいますが、出発直前に「鳥取うみなみロード(とっとり横断サイクリングルート)」なるものがある事を知り Ride with GPS にもルートデータがあるので、そちらを辿ってみる事にします。境港駅前を出るとすぐに境水道に出て東へ、先に渡った水道大橋をくぐって弓ヶ浜サイクリングロード(鳥取県道502号米子境港自転車道線)へ向かいます。

 サイクリングロードは砂浜の見える海岸だったりR431の歩道部分だったりを繰り返します。海岸からは正面に大山が見えるはずなのですが、全く見えず仕舞で朝の陽射しきついだけ、空自の美保基地に降りる輸送機が御愛嬌。なお境港市街をでると皆生温泉まで自販機の類は見当たりません。

 途中、境港方面を振り返るとこんな感じ(写真左)、一部松林の中を走る区間もあります。自転車道は皆生温泉を経て日野川河口に突き当たって終わります。この先「うみなみ海道」は主にR9を辿り倉吉市、鳥取市を経て鳥取県東端の岩美町のJR山陰本線東浜駅まで続き約150キロ、未整備の部分もありますが、青色の矢羽根表示が続いています。ただ高速の山陰道が供用されてR9の交通量が随分と減った様ですが、信号も多く日本海を望める区間も限られていて、あまり快適とは。
 大山町辺りのR9を走りながら、そろそろ何処か適当な店に入って昼食がてら涼みたいと思っていた処、メーターが表示されていない事に気がつきます。電池切れ? 暑さに死んでしまった? リセットしても表示は戻りません、幸い予備の電池も有るので適当な場所を… 丁度PAがあったので木陰で早速作業開始。電池交換で無事復活、記録は戻りませんが GPS の方にログがあります、今日のコースですと殆ど差異はでません、とにかくタイヤ周長と積算距離を再設定します。

 メーターが復旧した処で一息入れようと山陰本線の御来屋駅へ、御来屋駅はかつては急行「だいせん」も停まったと記憶していますが、山陰地方最古の駅舎で文化財にもなっています。無人駅だと思っていたのですが、駅舎が「糀まち食堂」と云うカフェになっていて数量限定でランチもあるとの事。時間もある事ですしここでお昼に、ホームを望む席でゆっくり涼ませて貰う事に。最近は桜井(万葉まほろば)線でも京終駅や柳本駅の旧駅舎がカフェレストランになっていますが、観光地でもない御来屋駅でやってゆけるのでしょうか、でも店内は女性客でほぼ埋まっています。

 ランチは私好みの色々な地の野菜を中心としたもの、飲み物別で1,450円はどうかなと思ったのですが、この手間の掛け方なら納得、個人的には雑穀ごはんがおかわり出来れば。
 さて快適な空間で涼んでお昼にもありつけて 1440 御来屋駅を後にします。ただ「鳥取うみなみロード」のコースに従ってもR9を走らされるだけで倉吉市街へは入らないので、当初予定していた海沿いの県道に入る事にします。
 県道267号大栄赤碕線は旧R9の様で、琴浦町界隈は津田候殿様街道として整備されています、境港~東浜を一気に走ってやろうと云う向きでもない限り「鳥取うみなみロード」を辿るより断然こちらがお薦めです。これなら御来屋駅までも同じく旧R9の県道269号松河原名和線を走っていた方が良かったかも。
 大山から日本海に流れ込む幾つかの川の一つ、加勢蛇川。ほぼR9が山側を並行して走っています。相変わらず大山は見えないと云うより、午前中より雲が多くなって暑さも少しはマシ、ずいぶんと走りやすくなっています。

 下北条駅付近から線路沿いの県道201号上井北条線へ、1648 倉吉市域へ入り 1700 丁度に倉吉駅前へ、50年前に来た頃は倉吉線が健在で山陰本線との接続駅は上井駅と呼ばれていました、従って旧い倉吉の街は4キロ程離れています。旧い街並みや廃線跡も魅力的なのですが、今回は時間もないので現在の倉吉駅前で宿を取っています。本日の走行101.4キロ、100キロに届かなかったらき旧市街の方へ往復していたかもね。

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道路元標蒐集の旅 山陰篇四日目

 一応今回のノルマはこなしたので、今日は帰途に就くだけです。 軽いものの靴ずれもありますし、無理のない時間で輪行して帰ろうと思っているのですが、懸案だった岡山県真庭郡の八束村道路元標を目指してみようかと企ててみます、しかしなんと云うか蒜山高原南麓にあるのです。 米子からだとR181を南下し伯備線江尾駅付近からR482に入り標高650mの内海乢を越えなくてはなりません。 ただ峠さえ越えてしまえば、後は下り基調で姫神線中国勝山まで走り抜けてしまえば良い訳です。 行程は約85キロ、中国勝山駅を津山回りで1538、最悪新見回りで1652がタイムリミットです。 とにかく6時前には米子を出発しR181を南下します、しかし結構大型車が多いのには参ります。 7時に江馬のローソンに、これより先中国勝山までコンビニは皆無です。 R482に入った途端、ヘアピンカーブの激坂で、靴ずれは乗っている限り問題はないのですが、押しが入るといけません。 最悪は江尾駅まで引き返してさったと輪行して帰途に就く事にします、と腹を括っていると登れるもので、標高380m程の南大山大橋までやってきました、ここから大山が望めるそうなのですが、残念ながら全貌は。 新しい下蚊屋ダムでもう一度休憩して9時半に内海乢(峠)に到着、標高差500mを2度の休憩込2時間半程で登ってきたので、私にしては快挙です。 蒜山高原道の駅「風の家」にて、山ぶどうシャーベット食ってます、さすがに500mの高原は涼しいです。 R482を一路東に途中八束村道路元標に立ち寄ります。 ここまで来たのですから、有名な山麓の自転車道も走りたいのですが、もうそこまでの余裕はありません、後ろ髪をひかれる思いで蒜山高原を後にします。 湯原温泉まで下ってきた処で、余分な荷物をゆうパックにしていまいます。 湯原温泉局は温泉街の中にあって少々判りにくかったですが、対応も良くてタオルの粗品まで頂きました、倶利■■局のおばはんとは大違い。 ゆうパックの箱込で940円、それだけで幾らかでも身軽になると随分違うものです。 ところで湯原温泉はカジカガエルで有名と云うか売りなのですが、足湯で休憩しているとどこからともなく鳴き声が… でもどこか不自然、テープでも流しているの? 中国勝山駅までは下りとは云え約20キロ、先の郵便局で教えて貰った足(たる)温泉に立ち寄る事にします、ここなら後10キロです。 思いっきりのんびりして、後はできるだけ汗をかかない様にR313を転がして行きます。   無事、中国勝山駅に到着、近くのローソンで買い出しをして、輪行支度でしっかり汗をかいてしまいました。 津山、佐用、姫路と乗り継ぎ、尼崎からおおさか東線経由の奈良行き直通快速に乗車、通勤時間帯に大阪での乗り換えをせずに奈良まで来て桜井線に。 できるだけコンパクトにしようとペダルも外して、サドルも下げ、ハンドルも抜いているので、もう組み立てる気力もなく、靴ずれの足を引きずりながら、輪行袋を数100m担いで汗だくになって帰宅しました。 本日の走行 88.4キロ、1日目の桜井~王寺の自走も含めて4日間で353.5キロになりました。 中国勝山1538→1623津山1631→1731佐用1734→1838姫路1842→1937尼崎1943→2051奈良2118→2148桜井 4,940円分乗車 本日の収穫 【903】 岡山県 真庭郡 八束村 (現 真庭市)

青春18きっぷの旅 (鳥取篇)

今日は「18きっぷ」で鳥取まで往復する事に、自転車はもちろん一応道路元標も抜きで、記念すべき500基目は8/13に奈良県下北山村で達成させる予定です。 でも鳥取県は全く以て現存情報のない県ですから、もしも「元標」が目の前に突然現れれば話は別ですが、基本的に今日は”乗り鉄”モードです。
 鳥取市へはまともに「18きっぷ」で行くと午前中には辿り着けませんので、鶴橋まで近鉄、上郡から佐用、智頭と第3セクターの智頭急行の区間を特急「スーパーはくと1号」に乗車(特急券込みで\1,670)、関西圏から高速道路のない鳥取市へ最も早く行ける手段なので5両編成となった今も結構混んでいます。

FI2613115_2E.jpg 案の定上郡からだと座れませんでしたが、再びJRとなる因美線智頭駅で下車して普通列車を待ちます、鳥取まで乗ってしまうと後\1,300余分にかかってしまいます。 智頭急行区間内は運転手も車掌も入れ替わります。

FI2613115_3E.jpg 鳥取駅1055着、市内は全く以て勝手が判りませんがバスターミナルへ行くと市内循環のバス「くる梨」が\100均一運賃で走っているので、これを利用する事に。 鳥取砂丘とかの観光地へこそ行きませんが、県庁、市役所、文化会館と云った公共施設をまわってくれます。 右周りと左周りがありますが、ルートが違うので青コースと赤コースと呼んでいる様で、なんと\300の1日券もあります。 ただ市内を周回するので場所によっては余計に時間がかかってしまう場合もありますが、従来の路線バスも「くる梨」と重なる区間は運賃が\100になっているのです、帰りは路線バスが早く来たので乗ったら半分以下の時間で鳥取駅に戻ってしまいました。
↑ 廃食油利用のバイオディ?ゼル燃料車です。

FI2613115_4E.jpg道路元標抜きと云いましたが… 県立公文書館へ資料の探索に。 ネット検索で大正9年県告示を見ることができる事はわかっていましたが、現実は…

FI2613115_5E.jpg 書庫から出してもらうと その薄さにびっくり、智頭町役場が編纂したもので、かなりと云うか殆どといって良い程、抜け落ちています。 大正12年、13年に至っては未記入の目録用紙が1枚はさまっているだけで、恐らく後年智頭町役場が散逸している古い県公報をまとめようしかけていたのでしょう。
 大正9年4月1日、鳥取県告示第135号「県道ノ路線左ノ通認定ス」と云うのがあったものの、その次は4月22日の第155号まで抜けています、「道路元標ノ件」はこの間にあったのでしょうか。 お隣の島根県は秋鹿村、高知県は田野町でしたが、大正期とは云え近代の県公報が逸失してしまって、周辺市町村に頼っていると云うのは、日本の公文書管理ってどうなっているのでしょうかねぇ…

FI2613114_1E.jpg鳥取から「18きっぷ」を利用して鶴橋経由で桜井に戻る最終は、山陰~福知山線経由か山陰~播但~山陽経由の何れでも1622発、因美線で東津山、姫新線で姫路と云う’ヲ’なルートでは1526発となりますが、接続が良く意外に早く帰る事ができます。 今日は余裕があるので、38年ぶりに若桜鉄道(旧国鉄若桜線)に乗車、終点の若桜まで往復し、これも38年ぶりの因美線智頭以南に乗車して姫路経由で帰途に就くことにしたのですが、郡家駅で乗り換える頃から雲行きが怪しくなってきた上に、因美線のダイヤが乱れ始め、若桜行きは10分以上遅れて到着します。

FI2613114_2E2.jpg並行する国道29号線が立派になって交通量が多い事を除けば、駅舎や鉄橋、沿線風景に結構昔の雰囲気が残っています。

← 若桜駅構内、第3セクターとなって駅舎の手前に車庫が新設されています。



FI2613114_2E.jpg 若桜駅の奥にC12 187が保存されていますが、これは兵庫県多可郡の旧加美町役場に保存されていたものを譲り受けてきたものです。 私の知る往年の国鉄若桜線ではC11が使用されていて、C12が使われていた記憶はありませんでしたが、C12 167は終戦前後に若桜線で使われていた様で、その後加古川線に転出した様です。

FI2613114_3E.jpgさすがに一閉塞の盲腸線、終点の若桜駅に着く頃には殆ど遅れを回復していたのですが、若桜駅での定時での折り返し時間は6分、夕方の通勤通学時間帯に備えて職員総出で2両編成に。 天気が良くて時間があれば若桜の街並でも見てみたかったのですが… しかし郡家駅に戻る頃には雨は激しくなり、凄まじい雷雨に。

FI2613114_5E.jpg若桜駅では今も窓口で硬券の乗車券が買えます。





FI2613113_1E.jpg JR因美線は智頭を境に、智頭急行と直通運転もされ1日13往復もの特急が走る北側と、数往復の普通列車だけが走る南側に別れてしまっていて、今では全線を通して運転する列車はありません。 ← 智頭駅にて、鳥取側はJRのキハ40系((殆どは首都圏色)に若桜鉄道、智頭急行の車両が乗り入れてきます、津山側はキハ120の単行です。

FI2613113_2E.jpg 東津山での姫新線への接続がタイトなので遅れが気になる処なのですが、間に合わなくても津山線経由で岡山回りでどうにか帰る事はできます。 どうやら雷雨も収まり、単行の津山行きキハ120が物見峠の長いトンネルを越え岡山県側に入ったものの、美作河井駅で停まってしまい、その後運転士と運転指令とのやりとりで降水量が規定値を越えたとかでこの先の運転が中止になってしまいました。

FI2613113_3E.jpg 「18きっぷ」の期間とあっていつになく多い乗客、どうやら代行バスが用意される様で、運転士は一人一人に目的地を訪ねて回ります、どうやら大阪へ向かうものも私を含めて2,3人いる様です。 運転士に食ってかかる様な人はいませんでしたが、明らかに’鉄’とおぼしき族がなにやら嬉しそうにウロウロしたり、運転士に何だかんだと云うのがいささか目障りです。 代行バスは既にこちらへ向かっているのかと思っていたら、18時を回ってからようやく代行バスが津山を出たの情報が、津山駅と美作河井駅は道路で約28キロ、往復1時間半はかかる計算になります、それでは岡山に出ても「18きっぷ」では大阪まで帰れても、とても桜井へは帰りつけません。 大阪の実家で泊まると云う手も無くは無いし、最悪大枚はたいて新幹線で帰る手も。 岡山なら安いビジホもあるし、Let’Note持参で来ているので資料は整うので、岡山南部に残している元標3つを回る手も、香川県立図書館に行ってみたい気もするのですが、明日は夕方には帰っておいた方が都合が良い予定もあるので、とにかく大阪へ向かう事を優先する事にします。
 私の向かいに座っていた人も大阪で、御堂筋線が動いている時間に帰れればどうにかなるそうです。 実は彼も”;隠れ鉄”;だったのですが(^_^)

FI2613113_4E.jpg  18時45分、津山駅へ向かう代行バスと途中駅へ向かう2台のタクシーが到着、見送る運転士に「お世話になりました」と労ってバスに乗車、とりあえずは19時51分津山発の津山線岡山行きの快速には乗れそうなのですが。 ところでここ美作河井駅は元の加茂村ですから、「八つ墓村」のモデルになった津山事件のあった処です、この話を先の’隠れ鉄’氏と話していたら、バスの運転手が右手の山腹を示して「二十七人殺し」の場所はあの辺りですよとの事、ん、津山事件は三十人殺し(「八つ墓村」では三十二人殺しとなります)では、二十七人ってこのバスの乗客の数ですよ(*_*)  信号の無い県道で思ったより早く津山市街に、接続を再度「乗換案内NEXT」で検索すると、19時28分津山発の姫新線佐用行きに乗り智頭急行で上郡へ出ると、智頭急行の\470を払う事にはなりますが、大阪へ2258着で帰れる事が(^_^)v バス内でJR職員の電話でのやりとりを耳にしたのですが、「18きっぷ」で広島へ向かっていた乗客もいるとか、本来何の補償もない「18きっぷ」ですが、場合によっては新幹線利用で送って貰えるのかも、ゴネ得だったりして。 幸い八つ墓明神の祟りもなく無事に津山駅到着、佐用行きにぎりぎりで乗車でき、先の’隠れ鉄’氏とともに大阪へ帰ってきました。

FI2613113_5E.jpg 大阪環状線ホームの雑踏へ、後はいつもの鶴橋23時28分の八木行き快速急行にさえ乗れば、五位堂で榛原行き最終が待っています。  






桜井 0528 → 鶴橋 0622 (610円)
鶴橋 0629 → 大阪 0645 2,210円
大阪0652 → 姫路 0754
姫路 0800 → 上郡 0834
上郡 0902 → 智頭 0942 (1,260円+410円)
智頭 1009 → 鳥取 1055 570円鳥取 1410 → 郡家 1423 230円 郡家 1438 → 若桜 1508 (若桜鉄道420円)
若桜 1516 → 郡家 1546 (若桜鉄道420円)
郡家 1550 → 智頭 1619 1800円
智頭 1629 → 津山 ****
津山 1928 → 佐用 2027
佐用 2034 → 上郡 2053 (470円)
上郡 2121 → 姫路 2154 2820円
姫路 2157 → 大阪 2258
大阪 2303 → 鶴橋 2318
鶴橋 2328 → 桜井 0008 (610円)

「青春18きっぷ」で7,630円分乗車