今日のBGM G.セル指揮クリーブランド管弦楽団 ブルックナー交響曲第8番

最近では音楽雑誌など買う事もないが、熱心にLPを買い漁っていた頃には重要な情報源であり、評価記事を大いに参考にしていたものである。 いわゆる音楽評論家の論評がどれ程的を得たものかは判らないが、少なくとも豊富な知識と経験からの結果なのだろうから、控えめに見ても生半可な素人の印象よりはずっと見識のあるものだと頼りにはしていた。 なかには「なんでこれがそんなに名盤なんや」と未だに理解に苦しむものあるし、所詮は好き嫌いの世界なのだから仕方のない事だろうが、まあ自分の印象に近い結果を導き出してくる評論家個人を頼りにするのが遠からず近からずと云った処だろうか。
 夜、月を見ると必ずと云って良い程にブルックナーの8番第1楽章の第1主題を思い起こす、単にジャケット写真からの刷り込みなのだが。 (ついでに荘厳な夜明けに出合う機会があると9番である。 )
 ジョージ・セルと云う指揮者には、どうやら「厳格で緻密な正統派の」と云う言葉が似合うらしい、ブルックナーの8番の録音は何枚か持っているが、個人的に1,2の評価をしているセル盤、しかしこれが数ある録音のなかでどれ程の評価なのかといつも疑心暗鬼になってしまう… いわゆる正統的なブルックナー演奏とも何処か違うし、緻密過ぎてややも金属的に聞こえるクリーブランド管弦楽団の音、これはライブ盤のマーラー6番にも云えるのだが、そういった処がブルックナーを新鮮で宇宙的なものに響かせている、人様の評価はどうあれジュリーニ盤とともに一生聞き続けるだろう私の1枚である。


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