「あらぎ島」はDNF(*_*)

 和歌山県有田郡有田川町 あらぎ(蘭)島 2004年7月(左上)、2004年10月(右上)、2014年4月(左下)、2014年8月(右下)。
 有田川上流の蛇行部分の棚田風景が知られる「あらぎ島」、四季折々の変化が美しく過去何度も行っているのですが、田圃に水が入った田植え前後にはまだ一度も行った事がなかったのです、高野山へのケーブルカーが新車になったと云う話も耳にしたので、南海高野線の学文路(かむろ)か九度山駅まで自走し、高野山まで輪行して走り出せば「あらぎ島」の後に余力で久しぶりに龍神街道の遠井辻峠でも越えて帰ってこれるかなと企んでみたのですが。
 学文路駅まで約40キロ、高野山への始発電車が0546ですから、明るくなるのが早いこの少し早く出ても良かったのですが、0415にスタートして五條のオークワで買い物をしてから、紀の川左岸へ入り橋本橋からサイクリングロードを走り一旦一般道に戻れば学文路駅は直ぐ、次の九度山駅まで走っても運賃は変わりません、0630着。さすがに0639発は間に合いませんので0701発に乗車する事に。なお桜井から輪行してもこのスジには乗車できず、最早でもこの1本後になってしまいます。
 山岳路線だけに駅名標はプロフィールマップがデザインされていて標高が記載されています。最近は頑張って自走する機会が多くて、輪行するのは2015年8月の「高野~野迫川避暑サイク」以来。学文路0701発はなんば発4両編成のいわゆる新ズームカー、大阪から一番早く来れるスジです。ズームカーと云えば私の世代ではこいつなんですが、大井川鉄道で健在一畑電鉄へ譲渡されたものは廃車されたとか。
 0734極楽橋駅着、0738発のケーブルカーに乗り換えます、今年3月に置き換わったスイス製のモダンな車両に乗車。上の高野山駅のホーム階段の傾斜が輪行袋を担いでは怖い位にきついので、いつもは極楽橋駅で先頭まで登っていたのですが、2015年に後寄りにエレベーターが設置されて随分楽になりました、こちらも初乗車。最大傾斜が500パーミルを越えるだけに最後尾に乗るとなかなかスリルがあります。
 高野山駅で輪行支度を解きますが、涼しい処か寒い位、地元の人も今日は寒いと云ったましたが、レギンス丈のものをはいてきて大正解。Facebookに書き込みとしていてすっかり時間をくってしまいスタートは8時半過ぎ。
 今日は大門から旧花園村へ向かう町道なのか林道なのか昔からのルートを走りますが、「WAKAYAMA800モバイルスタンプラリー」のチェックポイントがありますので一旦高野山内まで往復します。
 再び大門へ戻り、三叉路を南へR480に入り、少し走ると「高野町防災ヘリポート」と示された道があります。旧花園村へはどちらからでも行けるのですが、右が昔からある道で「高野七口」の一つ「龍神道」にあたる由緒のある道です、旧R371と合流して久木経由の新しい道と比べて距離が短く登り返しがないので、自転車なら楽に早く行く事ができます。
 幾つか分岐がありますが、(写真左)の分岐を除けば間違う事はないかと、右へ下ると湯川へ下ってしまいます、左は荒れていますが稜線沿いの1~1.5車線路が旧花園村へ、今では山仕事の車以外は通う事も少ないかして、木っ端の散乱したご覧の様な道が続きます。 緩やかに登っているのですが快調に走っていると突然「パスッ」と云う音がして紛れもなく前輪がパンク、少し推して広くなっている処でチューブ交換をしてエアーを入れ始めますと、なんと向かって左サイドが1cm以上縦に切れてチューブの圧で膨らんできているではありませんか、絵に描いた様なサイドカットです。このまま圧をかけても中のチューブが風船の様にでてくるだけですので、タイヤの裏側から手持ちのゴム板を当てがってチューブを入れ直します、水研ぎペーパーとかでも間に合いますが、ナイフとかが有れば勿体無いですがパンクしたチューブを使う手もありますが「お札が使えるよ」なんてツワモノもいますが、メーターやライトのブラケットにスペーサーのゴム板を外して使う手もあります。要するに強度があってしなやかに板状のものであれば良い訳です。
 とにかくチューブが出てこない様に蓋はできたのですが、裂けているだけに圧を上げると拡がってバーストする危険性があります、リム打ちしない程度まで圧を上げる事ができればどうにか走れるのですが、予定ではこの先公共交通機関のない山間部を100キロ近く走るのはかなり無理があります。日頃「ツーリングにDNF(Do Not Finish)なし」なんてエラそうな事を云ってますが、いくら考えても高野山駅まで数キロを引き返すしか選択肢はなさそうです。
 ギャップさえ気をつけて走ればどうにか乗れる様ですが、このまま走って帰る訳にもいかないので何処かで輪行する事になるのですが、高野山駅に戻るのも芸がないので、大門の手前からR480とは異なる昔はなかった花坂へ下る道を行く事に。初めて走る道なのです貴志川最上流の鳴子谷へ下って行く道がなかなか心地良いです。
 道は花坂と矢立の三叉路の間に出ますので、矢立へ少し登り返してR370(旧高野山道路)をそろりそろりと下ります、ここまで来るとほぼ南海高野線と平行しているので、最悪は少し歩けば駅まで行く事ができます。
 結局は道の駅「柿の郷くどやま」でWAKAYAMA800のリピーターポイントをGETとして、紀の川を渡ってJR和歌山線の高野口駅まで無事に走り抜ける事ができました、写真左は高野口駅前の旅館「葛城館」木造三階建、既に営業も公開もされていませんが登録有形文化財に指定されています、高野山参詣や大和街道の宿として賑わったのでしょうね。ところでパンクの後30キロ近く走った訳ですが、案の定裂け目は開いてきている様です(写真右)。
 日中の時間帯は概ね和歌山~奈良間が桜井線経由で直通運転されていますので、桜井まで乗り換えなしで帰る事ができます、この水色の105系もまもなく見納めですね。朝オークワで買っておいた弁当を広げながら電車を上り電車を待ちます、鳴子谷の渓流を見ながら食べても良かったのですが、爆弾抱えて走っている途中ではね。
 1350 やってきた上り電車は春から順次投入されている227系、今まで和歌山線で輪行の度に最悪の乗り心地に閉口していたのですが、新車は良いですね。本日の走行79.4キロ、さて近々にも「あらぎ島」のリベンジを考えなくては。