再び熊野シーサイドツーリング

熊野市甫母(ほぼ)町にて

 先々週17日に行ったばかりなのですが、尾鷲市と熊野市を海岸沿いに結ぶR311を再び走る事に。素晴らしいロケーションと紀伊半島を巡る交通網が最後に繋がった難所に魅力を感じた何人かが集う事になり、ガイド役を仰せつかり、先日16年ぶりに走った私は期せずして1週間余りで再訪する事になってしまいました。ただ天気予報は二転三転、コロナ騒ぎでモチベーションの上がらない中も、前々日夜になって当日は午後から晴れとの予報にGOサインが。
 先日は往路6時間以上もかけて「青春18きっぷ」輪行でしたが、今回は助手席に乗って楽チン、桜井からR169~R309~R42経由で尾鷲市の九鬼駅まで2時間20分足らず、道中の下北山村では満開間近の見事な桜並木に、思いがけなく車中からお花見を満喫。
 当初は尾鷲から一駅熊野市寄りの大曽根浦駅前に集合だったのですが、雨雲のきれるの待っていると遅くなるのと駐車スペースが微妙なので、最初の山越えを端折って更に一駅熊野市寄りの九鬼駅前に集合する事にし、6名が集まりました、全員がマッドガード付き。九鬼から紀勢本線なら三木里、賀田、二木島、新鹿、波田須、大泊、熊野市と7駅、営業キロで23.2キロをほぼ海岸沿いをなぞるR311では50キロ程の行程になります、なお帰途は短時間ですが輪行でデポ地の九鬼駅に戻るプランです。
 幸い8時半には雨もほぼ落ち着き熊野市に向かってスタートします。この先熊野市まで集落毎にアップダウンが繰り返される行程、ただ当初の予定の大曽根浦~九鬼間を除けば最大標高150mにも届かないのですが。
 雨雲がとれないので少し雨宿りしたりしながら、三木浦~三木里~古江~賀田~曽根と賀田湾を巡ります。先日の晴れた眺めを見て貰えなくてちょっと残念。
 曽根では立派な破風を持った建物が、今は郷土資料館となっていますが、元は小学校の建物の様です。開放されていませんが外側を見学していると少し晴れ間が出てきました。
 曽根を出るとR311が最後に開通(2001年11月)した区間になる訳で、熊野古道の曽根次郎坂太郎坂の区間に相当しますが、3キロ程東側に迂回して位置になっています。現在では曽根(1,106m)、梶賀(1,370m)、須野(197.5m)の3つのトンネルで結ばれていますが、私が始めて訪れた1995年8月は現在の曽根トンネルの岬寄りの梶賀第1トンネルを抜けて梶賀漁港でR311は終わっていました。当初は梶賀漁港を橋で跨ぎ2つのトンネル(梶賀第2、第3?)で須野トンネル側に繋がる計画の様でしたが、結果的には梶賀漁港の背後を通る形で曽根梶賀バイパスが作られ現在のR311となっています、図は手元にある最も古い昭和62年の1/25000地形図ですが、須野トンネル(1981年)の建設がもっと遅ければ、R311のルートは更に西寄りになっていたのかも知れません。
 旧道トンネルとなってしまった梶賀第1トンネルですが、地図では更に岬よりに道が見えます、今回皆で走れば怖くないとばかりにゲートをくぐって突っ込んでみます。(写真 : UG兄さん)

 現在は林道と云う事で、海側に路肩が崩れていたりと車では危険な状態ですが、幅員もそれなりにありガードレールや白線も残っていて、暫く進むと熊野灘の展望が開けます。
 驚いたのはR311の国道標識が、このルートはR311旧々道だったのです。R311が国道認定されたのが1970年、梶賀第1トンネルが完成したのが1985年ですから、15年間、梶賀漁港への唯一の陸路は国道だったのです。
 かつて国道だった事が信じられないような漁港の中の通路を抜けて登って行くと曽根トンネルと梶賀トンネルの間の橋をくぐり現在のR311に戻ります。なおここまでの経緯はヨッキれんさんの「道路レポート 国道311号旧道 梶賀の計画変更ルート」に詳しくあります。
 曽根トンネルを行きます、1台の車もやってきませんでした。(写真 : UG兄さん)
 須野トンネルを抜けると熊野市域、12時前には楯ヶ崎の展望台に到着。ただ楯ヶ崎そのものは反対側にあって死角になるので見る事はできません、往復1時間半の遊歩道か遊覧船を利用する必要があります。
 甫母漁港を望む処まで下りてきました、お天気も良くなり近くの防波堤で持参のお弁当とかでお昼にする事にします。沿線は海水浴シーズンでもなければ外食できる処はあてにできません。
 甫母漁港からまえださんが撮ってくれた写真(左)、対岸の山腹には山桜が。
 二木島湾を巡り荒阪、二木島と2つのトンネルを抜けます。
 新鹿の美しい砂浜が見えてきました。
  新鹿にて、先日は時間切れでここから帰途に就いたのですが、今日は余裕、新鹿の海水浴場を望む四阿にて、ofはやまさんが持ってきたジェットボイルでお湯を沸かしてコーヒータイム。

 新鹿を過ぎるとR311はやや内陸側に入りますが、波田須では素晴らしい展望が、眼下を紀勢本線が走っています、ここは徐福伝説の地でもあります。
 大吹峠を下ると大泊、対岸は名勝鬼ヶ城です。なおR311はここからR42との併用区間となります。

 鬼ヶ城見物の後、R42の旧トンネルになる鬼ヶ城歩道トンネル(旧木本隧道、歩道トンネルと云いながら実は東行一方通行で車も通ります。)を抜けて熊野市街へ、1525に熊野市駅前に到着、九鬼へ戻る普通列車は1605、1652、1827、1605に乗ろうとそそくさと輪行支度を始めますが、今日はヘッド抜き輪行のasuka号、リアは分割式に交換して出てきましたが、2台のデモンタには適いません、ちょっと段取りを間違えてまえださんに負けてしまいました。熊野市駅は上り普通列車は跨線橋を渡って2番ホーム、特急も停まる駅にしてはエレベーターもありません。僅か37分間の鉄旅で九鬼駅1642着、エンジン音を響かせて出て行くディーゼルカーを一同で見送り、今日のツーリングを終えました(写真右 : UG兄さん)。本日の走行52.3キロ。